この制度は2019年4月1日から労働者を雇用しているすべての事業所に適用され、有給休暇を10日(採用後6月目)以上付与されている社員(パート・アルバイトを含む)の希望する時季に、有給休暇を5日以上与えなければならないもので、これを有給休暇の時季指定義務といい、違反には罰則が適用されます。
そもそも有給休暇は従業員の在職年数に応じて付与され、請求権は新規採用から6カ月または1年目の起算日前の就業日数の8割以上勤務した者に付与されるもので、休暇の請求権は従業員にあり、会社は特別な事情が無い限り請求された時季を変更することは出来ないこととなっています。
ただ有給休暇について労使協定が行われれば、5日を除く残日数についてゴールデンウイークや夏季・冬季に計画消化をすることが出来ます。
有給休暇の時季指定義務が施行された背景
この度の有給休暇の時季指定は会社の義務として施行されたもので、従業員としては病気や何かの事情がない限り、自分だけが休暇を取るのは気まずいという日本人特有の考え方で有給の請求権を会社に貯金するような感じでいたことが社員の過労に繋がり、社員の健康や命を脅かす慣習を改善するために導入されたものです。会社は人が居て初めて会社です。従業員の健康を守ることが会社を守ることになります。休暇は記録簿の作成と3年間の保存が義務付けられています。弊所が勤怠管理と給与計算を受託した場合は、賃金台帳に自動記録されておりますのでご安心下さい。会社も従来の発想を切り替え、率先して「有給休暇の時季指定」制度を導入し、社員が退職したら次が雇えないという現実を再認識し、従業員の定着化と健康増進に繋げて下さい。ここで気を付けなければならない注意点は3つあります。
有給休暇の時季指定制度の注意点
- 労災で療養休業している期間(通院も含みます)
- 育児休業・介護休業期間
- 産前産後の休業期間
上記①~③は従業員が出勤したものとして有給休暇の日数を算定することが定められております。
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