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フレックスタイム

従来のフレックスタイム制は1ヶ月と1年(1年変形とも言います)の2パターンでしたが、この度の働き方改革では労働時間の精算期間が3カ月という使いやすい制度が誕生しました。この制度は週平均労働時間が40時間というベースを基に、育児や介護等を行う社員の利用が見込まれ、3カ月間という長いスパンでこれを繰り返せば1年でも2年でも延長することが出来るという利点があります。

従業員は退職をしないで安心して育児や介護に専念できる利点がある一方、会社としても折角仕事に慣れたいわば教育投資をした貴重な戦力を退職に追いやることが無く、安心して労務管理ができるという人材確保対策が可能です。今までは会社の都合に合わせた労働時間管理の事業所が多く見受けられましたが、この度の改正で労働時間管理が厳しく求められることになり、その対応が求められます。1年変形であれば週平均40時間という縛りをもとに年280日、1日10時間、週52時間という上限規制の厳守が求められます。

この制度は1年の中で繁忙と閑散のある会社で利用することが見込まれるもので、例えば公共工事請負会社、盆暮れは忙しいがこれ以外は閑散な事業所、縁日の商店街等の利用が見込まれます。しかし3カ月フレックスは月50時間を終えるとその部分については割増賃金の支給対象になります。

フレックスルールは厳格な勤怠管理とその運用が求められる

このフレックスルールは厳格な労働時間管理と賃金支払いを行わないと2~5年後に監督署の臨検で発見されたとき賃金未払いというお決まりの是正が予想され、賃金未払いなら罰則として6月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰に該当することになると考えられ、さらに無届実施は30万以下の加重罰則の対象となる可能性があります。うちは閑散期と繁忙期が半々だから、それで1年のバランスが取れているなどという説明は、もう説明になりません。業種・規模の大小に関わらず監督署に協定書の届けを行い、具体的な時間管理記録で明示することが求められます。面倒ですが、それが法律で事業活動に合わせた労務管理は法律の範囲内で運用することが原則です。うちは中小企業だからという言い訳は通りません。今まで雑駁に使用されていたフレックス制でしたが、今後この制度を利用するには厳格な勤怠管理とその運用が求められ、更にその記録を5年間保存しなければなりません。勤怠内容に違反があればその違反の証拠提供をすることになります。

フレックスタイム制を導入するには…

本制度の導入には労働基準監督署にフレックスタイム制を記載した就業規則と労使協定書の届出が必要になります。また、労使相互が労働時間の見える課された許可範囲内での就業時間管理を行い、これをもとに賃金を支払うことも重要です。これには当所が推奨する勤怠システムのご利用をお勧めします。

これらの事務はSRBC鵜沢事務所が業務支援をいたします。しかし、労使双方が納得した勤怠をもとに運用されることが本制度の導入目的となりますがフレックス制度の運用にはそれなりの手法として就業規則の改正に加え従業員との協議が必要となりますので、導入目的をどのように考えるか、運用の将来図を明確にしなければなりません。計画に翻弄されては虻蜂取らずになりますので、労使相互が利益になるよう協議の支援をいたします。

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